事実関係に争いがない場合において、被害者との間で迅速な示談交渉ができれば、早期の身柄解放が可能になります。また、仮に起訴されても極めて重要な情状資料（裁判で有利に働き得る証拠）になります。

あなた達でも被害者と示談交渉をすることは出来ますが、連絡先を知らない場合もあるでしょう。また、そもそも被害者と示談のお話をすること自体に心理的な負担がある場合が多いでしょう。

弁護士であれば、検察官と話をし、被害者の方の連絡先等を教えてもらえます（もちろん、被害者がＯＫの場合ですが）。

弁護士であれば、あなた達に代わって、被害者と示談交渉をするため、あなた達の心理的負担を軽減することができ、かつ、十分な知識と交渉スキルをもって、適切な示談交渉を進めることができます。

捜査機関が必要な捜査をしたにもかかわらず、逮捕や勾留を利用して、不当に身柄を拘束することがあります。

この場合、弁護士が、逮捕や勾留を争う準抗告や勾留理由開示請求などの手段を使って、不当な身柄拘束からの解放を目指します（起訴後の場合には、保釈請求という手段を使って、身柄拘束からの解放を目指します）。

一定の重罪（法定刑が死刑または無期もしくは長期３年を越える懲役もしくは禁固に当たる事件）の場合には、起訴前から国選弁護人がつきますが、それ以外の場合には、国選弁護人がつくのは原則として起訴後となります。

ところで、逮捕や勾留された人や起訴された人は、裁判所（官）に対して、国選弁護人の選任を請求することはできますが、国選弁護人は裁判所が選任するため、あなた達が望む弁護士が国選弁護人に選任されることはまずあり得ません（極端に言えば、刑事事件における弁護人としての経験に乏しい弁護士が選ばれることもあります）。

あなた達が直接話をし、知識・経験・人柄などで信頼できる弁護士であれば、弁護士費用がかかっても、あなた達自ら選ぶ弁護士に私選弁護人として依頼すべきでしょう。