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株式会社帝国データバンクに対する勧告事例(消費税転嫁拒否)

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株式会社帝国データバンクに対する勧告


公正取引委員会が,平成29年3月9日,帝国データバンクに対して,消費税転嫁対策特別措置法に基づき勧告をしたとされています。

どのような事案なのかについては,次のサイトをご参照ください。

http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h29/mar/170309.html

 

簡単に言えば,帝国データバンクは,業務委託料を支払って調査業務を個人に委託していたところ,

消費税が8%に増税した平成26年4月以降も,消費増税分を上乗せした業務委託料を支払わず,従前どおりの業務委託料しか支払わなかったため,

消費税転嫁対策特別措置法第3条1号後段(買いたたき)に違反するとして,同法に基づき勧告がなされたという事案です。

消費税転嫁対策特別措置法とは


消費税転嫁対策特別措置法は,消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的としており,

具体的には,大規模小売事業者等の特定事業者(買い手)による消費税の転嫁拒否等を防止するための法律です。

 

消費税はお客さんである消費者が最終的に負担するものであるところ,

消費税の仕組み上,取引の各段階(仕入及び販売)において商品・サービスの価格に転嫁(上乗せ)させることで,消費税の消費者負担を確保することになります(つまり,消費増税にかかわらず,理屈の上では事業者の利益には影響がないのです)。

 

ところが,実際にはそう簡単にはいかないようです。

105円(5%消費税)で購入できた商品が108円(8%消費税)となった場合,消費者の心理としては購買意欲を失い,購入を控えることもあるでしょう。

その場合,商品を販売する事業者としては,購買数が減少し,結果として利益が減ることになるかもしれないため,それを避けようとします。

そこで,仕入れ等にバーゲニングパワーを保持する大手スーパー等は,本来消費者が負担すべき消費増税分の金額を上げずに商品を販売(105円)できるよう,

仕入業者に対して納入価格の値引きを求めます。

このような仕入業者のほとんどは,中小零細事業者。

大手スーパーから仕入先を変えられたら,それこそ死活問題。

そこで,仕入業者は,やむを得ず納入価格の値引きを受け入れてしまう・・・・・・,

結果として,中小零細事業者である仕入業者にしわ寄せがきてしまう。

これが,消費税転嫁の問題なのです。

 

消費税転嫁対策特別措置法の概要


次のサイトをご参照ください。

http://www.zei-tenka.jp/measure.html

http://www.jftc.go.jp/tenkataisaku/index.files/161128leafletset.pdf

消費税の転嫁拒否等の行為に関する 具体的な事例(業種別)


次のサイトが有用です。

http://www.jftc.go.jp/tenkataisaku/index.files/170301gyoushubetujireishu.pdf

まとめ


勧告がなされ公表されると,レピュテーションリスクが顕在化し,取引や人材採用に影響が出かねません。

中小企業であっても,買い手として規制対象となり得ることもあります。

 

ご相談はお早めに。

 

 

弁護士 仲宗根朝洋

 

 

 

 

 

 

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